こんにちは。
飯田橋のカウンセリングルーム、サードプレイスのナカヤマです。
今日はトラウマ焦点化心理療法について少しだけ。
ここでいうトラウマ焦点化心理療法、とは主にPTSDのための比較的構造化された(回数や課題が決まっている)心理療法のことです(例えば学習塾でいえば、通常の授業ではなく、夏期講習のようなものでしょうか・・・)。
ここで「あれ、PTSDとトラウマってどうちがうんだっけ」と思われた方はこちらを参考に。
心理療法が効果があるかどうかを調べるには、問題(疾病)に対して手続き(心理療法)を行って、もともとの問題が改善されているかどうかをビフォーアフターで比較します。
様々な心理療法がこのようなやり方で研究がされ、しのぎを削っています。
今のところPTSDに対する心理療法で充分なエビデンスがある、といわれているのは、PE(持続エクスポージャー療法)、CPT(認知処理療法)、EMDR(眼球運動による脱感作と再処理法)あたりでしょうか。
子どものための心理療法として、TF-CBT(トラウマフォーカスト認知行動療法)というのもあります。
「それで一番効果があるのはどれですか?」
とよく聞かれる質問ですが、研究ではどれも同じくらい充分な効果がでているし、そんなに数は多くはないのですが途中でやめる人(ドロップアウト、といいます)も同じ程度いるのです。
実は人がなぜPTSDになるのか、その要因のいくつかはとてもよく解明されています。
●PTSDの二つの要因について知りたい☞こちら
そしてどの治療法(心理療法)もその要因にアプローチしていく、というのは共通しているのですね。ただアプローチの方向というか、順番というか、スタンスが違うだけです。
一方で薬物療法があまり治療成績が良くないのは、症状の緩和のみ(逆に症状の緩和では優れている点があります)で、PTSDを長びかせている要因に対してアプローチできないからと考えられます。
もしトラウマ焦点化した心理療法を受けたい、と考えられたら、どの心理療法を選ぶか、というよりも信頼できるセラピストが得意な(練習を積んできている)技法にされるのが一番無理のない方法だと思います。
それに、信頼できる関係というのは、どんな技法よりも治療的なのです。
●PEについてもっと☞【PE(持続エクス―ポージャー療法)の効果研究】
●PTSDについてもっと☞【PTSDを長びかせている要因】二つある
●PTSDを長びかせる要因についてもっと☞【PTSDを長びかせる要因】トリッキーかつスニーキーな回避
●CPTについてさらっと☞【CPT 認知処理療法】反対側から?アプローチしても上手くいくらしい
●番外編☞PEが嫌いなヴァン・デア・コーク先生の話
ではまた!