こんにちは。
飯田橋のカウンセリングルーム、サードプレイスのナカヤマです。
「母の愛」ってものは、世間一般に広く普及している共通概念です。
海よりも深い母の愛、無償の愛、母なる大地、おふくろの味、岸壁の母、着てはもらえぬセーターを涙こらえて編む、といった表現でさまざまな角度から母の愛は語られ、歌われてきました。
一方で、子どもの愛は「親しげで可愛い」という認識はあっても、その大きさ、深さについて充分知られているとはいえません。
でも、心理のセッションの中では、本当にたくさんの子ども時代について語られています。
その中で子どもたちが(今は大人として私の目の前にいるのですが)、どんなにか純粋かつ無償の愛で母という人を見ていたか、ということを何度も目の当たりにするのです。そしてそれがどのように裏切られてきたかも。
私が実感するのは、子どもがもつ愛の無垢な力です。
残念ながら、その大きな愛に応えられる母は一人としていなかったし、これからも多分いないのでしょう。それはしょうがないことでもあるのです。
パールバックは『大地』という小説でピューリッツアー賞を取り、その後の2作の続編を合わせた全3部作はノーベル文学賞に輝きました。
その中であえて、この本をお勧めしたいのは、そこには子どもがもつ涙ぐましいまでの愛について描写されているからです。
子どもが手に汗をかいて鉛筆を握っていることに母親(パールバック)が気が付いたシーンは涙なしには読めませんでした。
この本を読んでから20年以上経ちましたが、今でも患者さんが子どもの愛について語るときにそのシーンを思い出します。
そしてそのたびに頭を下げたいような、泣きたいような気持になるのです。
ではまた。