こんにちは。

飯田橋のカウンセリングオフィス、サードプレイスのナカヤマです。

 

子どもの頃から体育が苦手で、運動会の前の晩などには沈痛な気分で床につくのが常でした。

徒競走では驚くほど足が前に進んでくれないし、綱引きでは決まってみんなが倒れた先の下敷きになり、自分へのふがいなさと痛みで涙がにじむ、という体たらくでしたが、唯一ココロ躍るプログラムがありました。

フォークダンスです。

しかし、フォークダンスというのは人気がない、そして一部の女子からは忌み嫌われているプログラムの一つでしたので、それを実行する際に私としてはココロ躍っている感じを出さないよう極力努める瞬間でもありました。

「ええ―!男子と手をつなぐなんてキモイよねぇ!」みんなが憤然として口々にそう言い合っている中に、私もウンウンとしかめつらしくうなづいて参加していました。ある時代、みんなの前で踏み絵をすらっと踏まなければならなかった隠れキリシタンに自分の身を重ねていた、というと言いすぎかもしれませんが、心理学っぽくいうと学童期の仲間(つまりクラスの女子)との愛着の形成は重要課題なのです。

心の葛藤を抱えつつも、いざ音楽がはじまると、私の気持ちは解放され、身体もさっきまでのぎこちない動きをすっかり忘れたかのように、スムーズに動きはじめます。

パートナーと向き合い、手をつなぐと、それはしっとりと汗ばんでいたり、乾いていたり、熱を帯びていたり、そして手の握り方も、しっかり支える子やらそっと手を添えるだけの子もいて、いつも教室で遠くから眺めている男子とはちがう生物のようです。明らかにやる気がなさそうにぞんざいに踊る子や、いつもは地味で目立たない子なのに、ダンスでペアになると不思議と息が合ってひらりひらりと上手に踊る子がいます。音楽に合わせて、目の前のパートナーは次々に交代していきますが、それぞれの違いにいつも心地よい驚きがあり、飽きることがありません。

でも、フォークダンスは運動会のいわば添え物的なプログラムですので、もうすこし踊っていたいなぁという私の気持ちを埃っぽい運動場の中に残して、しばしば唐突な音楽の中断とともに、慌ただしく終了したものでした。

 

今、サードプレイスで、目の前の人とお話している時にふと、子どもの頃の運動会でフォークダンスをしていた時のような気持ちになることがあります。

 

私は本当にあの時間が大好きでした。

今も、みなさんとお話している時間が同じように大好きです。

 

2018年、たくさんの人々にお会いできましたことを、心より感謝いたします。

2019年は、2週目あたりからゆるっと始めたいと思います。

 

どうぞよいお年をお迎えください。

サードプレイス

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投稿: 飯田橋 サードプレイス

東京千代田区飯田橋にあるカウンセリングルーム、サードプレイスのブログです。

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