カテゴリー: サードプレイス

サードプレイス

新型コロナウィルスへの対応

こんにちは。

飯田橋にあるカウンセリングオフィス、サードプレイスのナカヤマです。

 

サードプレイスでは、新型コロナウィルスへの対応として

●スタッフの手洗いとうがいの徹底

●クライアントさんへのエタノールによる手指の消毒

●セッション毎にテーブルなどの備品のエタノール清拭を行うこと

●換気扇を常時使用すること

●窓を開放して換気を行うこと

 

等を実施して、安心してお話しできる環境づくりに取り組んでいます。

 

ウィルスに抵抗できる身体作りのために、屋外を散歩したり、就寝前はゆっくりお風呂につかったり、ストレッチなどして良質な睡眠をとりましょうね。

面白い動画を見て笑ったり、友だちとメールやLINEでおしゃべりするなどの楽しい時間を過ごしたりするのも、良い方法です。

 

まちがっても、新型コロナ速報みたいなのを1日中眺めては落ち込んで、大酒をあおったり、嫌な気分を追い払うためにどんちゃん騒ぎなどをしないようにして下さい(お肌にもよくないです)。

 

私もこれからお散歩がてら神楽坂に行って、昼食用においしいパンを買いに行ってきます。

きっと免疫力も上がるはず。

 

ではまた!

サードプレイス

 

 

うつサードプレイスストレス

【マルチタスク】

こんにちは。

2月はどこにいってしまったのでしょう。

飯田橋にあるカウンセリングオフィス、サードプレイスのナカヤマです。

 

ええ、生きています。

 

今年に入ってから、論文を投稿するなどというもの慣れないことをやって、本業以外は全くまわらない状態になっていました。

実は本業でも、予約のダブルブッキングやセッションに遅刻するという大失態を引き起こしてしまいました。それでも、お待たせしてしまった患者さんの殆どは、恐縮する私を優しく慰めてくれました。本当に申し訳ない気持ちです。この場を借りて心からお詫びいたします。

ごめんなさい。

 

元々生まれ持った性質もあって、私のようにマルチタスクが苦手な人は一定数います。

知的な作業をつかさどるところは主に大脳皮質の前頭葉ですが、この辺りを「テーブル」とイメージしてみてください。そのテーブルの上に仕事を載せて、同時進行で作業したりできますが、仕事をきちんと選ばずに心のままに(ヤミクモに)載せすぎると、テーブルからはみ出して落っこちてしまいます。

また、うつ症状などの精神症状やストレスなどの外的な状況で一時的にそのテーブルが小さくなることもあります。

そうすると今まではテーブル上にちゃんと載せられていたことでも落っこちてしまうので、やっぱりミスや物忘れが多くなります。

あとは、そう、加齢でもテーブルは小さくなります。

小さくなったテーブルで多くの作業をする時は、テーブルの上にきちんと整理して物を積み上げたりすることが大切です。この積み上げスキルが年齢と共に上手になっていくのは、「良い年のとり方」といっても良いでしょう。

 

ところで、3月になって私のテーブルの上の荷物はずいぶんと片付いたと思います。

改めてどうぞ「薄味の日記」にお付き合い下さい。

 

 

それにしても、みんながやっている、音楽を聞きながら勉強するっていうアレ、どうやってやるのでしょうか。

 

では近いうちに!

サードプレイス

サードプレイストラウマ

【ご挨拶】2020年1月

2020年になりました。

飯田橋にあるカウンセリングオフィス、サードプレイスのナカヤマです。

 

ショートカットにしていた髪が、年末からお正月にかけてずいぶんと伸びてボブのようになりました。

そして今朝、鏡に映った自分をみて、ふと、

 

 

 

『ノーカントリー』に出てくる悪役の男優に似ているな

ノーカントリー

 

とちょっと愉快な気持ちになって、一人フフフと、声に出して笑ってしまいました。

 

 

そして思いだしたのが、小学校2年生のときのことです。

当時流行っていたマッシュルームカットにされて学校に行った朝、ココロナイ男子から「キノッピー(知らない人はググってみてください。悪役のキノコです)」とか「キノコ」とからかわれて、私は心底傷ついたのでした。

 

今朝の私は『ノーカントリー』でも笑えるのに、子どものころの私は「キノッピー」レベルで、もう心が折れていました。そして、鏡に映る自分のマッシュルーム型のヘアスタイルを呪ったものでした。

この変化は、決して私の成長(加齢)だけによって起きたことではありません。なぜなら、人の心理ってものは、その単体のみで成り立つものではなく、いつもその人を取り巻く環境が大きく関わっているものだからです。

 

 

すなわち、「キノッピー」と呼ばれたときの私はまだ子どもで、自分で髪型を変えられるすべも、お金も持っていなかった、ということがあります。手でひっぱったって髪は少しも伸びてはくれませんでした。それに、そのマッシュルームカットは両親の意向であって、私個人としては、髪の毛を肩まで伸ばしてゴムで結わえてみたいとひそかに願っていたのです。

 

そんな状況から生じる私の心情に近いものは、「無力感」で、これがつまり、すべてのトラウマであったり、苦痛な記憶の核にあるものです。もし、この記憶がきちんと消化されないと、私は大人になっても「キノッピー」に思い悩むことになったでしょう。

 

ある事象に対して私たちが傷つくのは、周りの環境が私たちに味方してくれるものではなかったり、私たちが子どもだったりするが故に無力感を持つためで、私たちの個人的な資質(例えば性格や知能とか)がそれに及ぼす影響は比較的小さいものだと思っています。

 

 

そんなことを踏まえつつも、私の仕事は心理療法なので、今年も、みなさんの感情について、考えについて、そして身体の感覚について、何遍も尋ねるかもしれませんが、みなさんを取り巻く環境が実に大事ってことは、マッシュルームカットで身に染みていますよってことをお伝えして、新年のご挨拶にかえさせていただきたいと思います。

 

本年もどうぞよろしくお願いします。

サードプレイス

サードプレイス

【つり革】事件

こんにちは。

飯田橋のこぢんまりしたカウンセリングオフィス、サードプレイスのナカヤマです。

 

今朝電車に乗っていた時のことです。珍しくラッシュ時の電車の中のつり革につかまって、いつもより早めの仕事に向かっていました。

駅で電車が止まり、ドッと人が乗り込んできたその勢いに押され、私は握っていたつり革を突然手放すような形になりました。私が手放したつり革は弧を描き、そこに眼鏡の男性が押し出されて、その男性の額にコツンと当たりました。

 

男性は顔をしかめ、私は「すいません」と声をかけました。男性は私の方を見ようともせず、顔をしかめたまま、かけていた眼鏡を外し、仔細げに調べはじました。

私は再び「すいません、大丈夫ですか」とささやき声で、でも相手には聞こえるように言ったつもりでしたが、男性はそれには答えず、尚も、ためつすがめつ眼鏡を見ています。

 

うん。レンズに傷はついてないよ。私は目がいいからね、大丈夫大丈夫、傷とかついてないから。

と私は心の中で思いながら男性の様子を見つめます。男性はレンズを食い入るように見ています。

 

だから大丈夫だって。オオゲサだなぁ。

と私は思いましたが、ふと心配にもなりました。

レンズに傷を発見した男性が、私を告発するつもりかもしれないと思ったからです。

 

そんなことになったら、私はうっかり自分の連絡先を教えないようにするんだ。じゃないと揉めた時に困るからね。連絡先教えて下さいって言われたら、私は冷静に、では警察に行きましょうというんだ。あれ、こういう時って警察でよかったんだっけ。鉄道警察みたいなところがあったんだっけ。そこだと痴漢になっちゃうのかな。いや、私は痴漢はしていない。とにかく私は心をしっかり持って、対応するんだ。

と心の中で言い聞かせているうちに、電車はターミナル駅に着き、男性は他の乗客とともに流されて電車を降りていきました。

 

それを見てほっとしながら、降りようとした私の額に、他の乗客が離したつり革がコツンと当たりました。

 

 

 

 

 

 

え。これ、めっちゃ痛いんですけど。

 

今朝の私は共感力というか思いやりのココロがちょっと足りなかったかもしれません。

師走になり、町にも私にもいささか余裕がなくなっている中、また今年も12月の金曜日は2019 年の記事のアクセス数カウントダウンをします。

去年とほぼほぼ一緒なんですが。

でもどうぞ、一年のふりかえりにお付き合い下さい。

 

サードプレイス

 

 

 

サードプレイス読書療法感情調整

【批判的読書術】

こんにちは。

飯田橋にあるこぢんまりとしたカウンセリングオフィス、サードプレイスのナカヤマです。

 

夏になり、海を越えてノリコさんがやってきました。

ノリコさんは絵を描いたり、粘土で造形をしたりするのが得意で、いってみればそれを生業にしている人ですが、本を読むのも好きだそうです。

ノリコさん曰く、「この年になると、名作っていわれるものは読んでおかなきゃって思ったんだよね」。ノリコさんは60代、もの思う年なのです。「そんで『老人と海』を読みはじめたんだけど、ギブアップしたわ。だって、じいさんがずっと釣れるかな、どうかなって、それを100回くらい繰り返してて、なかなかお魚が釣れないんだもの、飽きたよ」

じいさんって・・・・と思いましたが、ノリコさんは老人と海についてはサッサと切り上げて、話しは次に移ります。

「そんで、やっぱ日本文学を読むべきだろうって思い直して『雪国』を読みはじめてみたの」「そしたら、最初からイヤーな予感がしたわけよ」

私は『雪国』の冒頭の部分は、嫌な予感どころか、名作中の名作と言われる書き出しではないかとノリコさんに問うてみました。

「名作とかは関係ないよ」とさっき名作云々言ってたくせに、ノリコさんは言下に断じました。「小太りな中年男が出てきて、窓越しに葉子をじとーっと眺めたり、自分の人差し指をクンクン嗅いで駒子のことを思い出すシーンがあるじゃろ」

そんなシーン確かにあったような、でもノリコさんの言う通りの描写ではなかったような気もします。

「あの辺りのクダリから、若い女性をモノ化しているように感じて、ほら、そういうグループ、日本にはあるじゃろ。女の子たちを集めてグループで歌わせている、小太りな中年男、アレに見えたのよ。あの、アキモ・・・・」

音楽プロデューサーの方、ですかね。

危険を察知して食い気味に言った私の言葉が気に入らないのか、ノリコさんは胡散臭げに視線を向けてきました。

「まあ、そうよ。金とパワーを持つ男が、駒子みたいな若さ故に物を知らない女の子の気持ちをマニュピレート(操作)するのを読んでいるとイラっとするし、とにかく恋愛とか人間関係ていうのものは、もっと対等であって、お互いを人として尊重するものであってほしいと思ったわけ」

ノリコさんは一気にそこまで話すと、今度はにっこりして言いました。

「そんで、私は主人公のアキモトを、自分の頭の中で全盛期のトヨエツの姿形に変換して読み進めることにしました」

ノリコさんが機嫌よく話しはじめたので、私は先ほどのポリティカルコレクトネス的な努力をフイにされたことや、トヨエツ(それも全盛期の)に変換って一体何なんだっていう疑問は一旦脇に置いておいて、耳を傾けることにしました。

「全盛期のトヨエツが主人公だったら駒子の見境のなさにも共感できるじゃろ。ストーリー中のちょっとした描写も繊細でねぇ」

あの作品の情景描写は定評がありますからねぇ。

 

「そんで調子よく読み進めてたら、最後の最後に主人公が小太りっちゅー描写が入ってくるじゃないの、小太りって!私のトヨエツが崩壊した瞬間だったね」

ノリコさんにかかると『雪国』は手に汗を握るジェットコースター的小説となるようです。

 

「あの川端っていう男は到底許せないよ。こちらを油断させておいて、最後はやっぱり女が被害者になるっていう筋立てなんだ。そんなのをキレイに描いたのが日本文学なんだ」

今やノリコさんは下を向いて息を詰めている様子です。心の奥にある自分自身の傷跡にじっと触れているかのノリコさんの様子をみて私もそっと居ずまいを正しました。

 

でもノリコさんはすぐに目をあげて「腹は立つけど、奴にだって自分のファンタジーを書きつけたいって権利はあるわけだし、それに」と言って、息をふっと吐くと「日本は温泉がいいよね」といささかだしぬけに言いました。見ると、今やノリコさんの眉間にはいいスペースが広がっています。

「なんかしらいいとこもあるってことですよね」と私もニッコリして応じました。

「そうそう。私のハイエンド(高級)な靴を安心して下駄箱に預けられるもんね。あっち(ノリコさんは南仏在住なのです)だったら2秒で盗まれるわ」

ノリコさんはそういって笑うと「んじゃ、また来年」と言い、そして私はバレンシアガのスニーカーをはいたノリコさんがスーパー銭湯へ向かうのを見送りました。

 

それにしても今回、川端康成も例の音楽プロデューサーもえらい言われようでした。

でも、どうやら日本が海の底に沈められるのは免れたようです。

 

あぶないとこでした。

 

●ノリコさん登場☞【感情調整】クリエイティブな気持ちの収め方

●子ども時代のトラウマのコア:感情調整☞【STAIR】感情調整からの、対人関係

ではまた!

サードプレイス