サードプレイス

【感謝】どうぞよいお年を!【2018年】

こんにちは。

飯田橋のカウンセリングオフィス、サードプレイスのナカヤマです。

 

子どもの頃から体育が苦手で、運動会の前の晩などには沈痛な気分で床につくのが常でした。

徒競走では驚くほど足が前に進んでくれないし、綱引きでは決まってみんなが倒れた先の下敷きになり、自分へのふがいなさと痛みで涙がにじむ、という体たらくでしたが、唯一ココロ躍るプログラムがありました。

フォークダンスです。

しかし、フォークダンスというのは人気がない、そして一部の女子からは忌み嫌われているプログラムの一つでしたので、それを実行する際に私としてはココロ躍っている感じを出さないよう極力努める瞬間でもありました。

「ええ―!男子と手をつなぐなんてキモイよねぇ!」みんなが憤然として口々にそう言い合っている中に、私もウンウンとしかめつらしくうなづいて参加していました。ある時代、みんなの前で踏み絵をすらっと踏まなければならなかった隠れキリシタンに自分の身を重ねていた、というと言いすぎかもしれませんが、心理学っぽくいうと学童期の仲間(つまりクラスの女子)との愛着の形成は重要課題なのです。

心の葛藤を抱えつつも、いざ音楽がはじまると、私の気持ちは解放され、身体もさっきまでのぎこちない動きをすっかり忘れたかのように、スムーズに動きはじめます。

パートナーと向き合い、手をつなぐと、それはしっとりと汗ばんでいたり、乾いていたり、熱を帯びていたり、そして手の握り方も、しっかり支える子やらそっと手を添えるだけの子もいて、いつも教室で遠くから眺めている男子とはちがう生物のようです。明らかにやる気がなさそうにぞんざいに踊る子や、いつもは地味で目立たない子なのに、ダンスでペアになると不思議と息が合ってひらりひらりと上手に踊る子がいます。音楽に合わせて、目の前のパートナーは次々に交代していきますが、それぞれの違いにいつも心地よい驚きがあり、飽きることがありません。

でも、フォークダンスは運動会のいわば添え物的なプログラムですので、もうすこし踊っていたいなぁという私の気持ちを埃っぽい運動場の中に残して、しばしば唐突な音楽の中断とともに、慌ただしく終了したものでした。

 

今、サードプレイスで、目の前の人とお話している時にふと、子どもの頃の運動会でフォークダンスをしていた時のような気持ちになることがあります。

 

私は本当にあの時間が大好きでした。

今も、みなさんとお話している時間が同じように大好きです。

 

2018年、たくさんの人々にお会いできましたことを、心より感謝いたします。

2019年は、2週目あたりからゆるっと始めたいと思います。

 

どうぞよいお年をお迎えください。

サードプレイス

サードプレイスピックアップ!複雑性PTSD読書療法

【2018年 最も読まれた記事】第1位【複雑性PTSD】診断がつく、ということは治療法があるということです

こんにちは。

飯田橋のカウンセリングオフィス、サードプレイスのナカヤマです。

 

私が初めて「複雑性PTSD」という概念を知ったのは、約20年前にジュディス・ハーマンの『心的外傷と回復』を読んだときです(この本のはじめに出てくるトラウマの歴史に関する章は圧巻です。それをいうなら、この本全部が本当に圧巻です)。

ハーマンは、長い間何度も虐待などの被害の体験を受けた人々の感情や認知がネガティブな方向に変化すること、そしてその変化が社会では望ましくないもの、病理的であるとレッテルが貼られて、治療ではなく誹謗中傷や差別の対象となっていることをその著書の中で明らかにしています。

そして、トラウマの被害者がそのスティグマから解放され、きちんとしたケアや治療を受けられることを目的として提唱した診断名が「複雑性PTSD」なのです。

 

この診断名に込められた精神に私も深く賛同しつつ、2018年で最も読まれた記事をご紹介します。☞【複雑性PTSD】診断がつく、ということは治療法があるということです

 

ではまた。

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2018年 Pick Up!サードプレイス読書療法

【2018年 ピックアップ 第3週】メグさんとか、ちつケアとか

こんにちは。

飯田橋のカウンセリングオフィス、サードプレイスのナカヤマです。

 

人が幸せに生きる秘訣は、世の中や自分の中にある様々な価値観や義務感みたいなものから自由になって、自分の感情や身体とともに居れること、と思っています。

性をめぐる様々な思い込みを、本を読むことでもう一度見直してみませんか。

 

今週のピックアップは冬休みのための推薦図書です。

『メグさんの女の子・男の子からだBOOK』性の知識をきちんともつことで、性被害から身を守れるようになる

『ちつのトリセツ 劣化はとまる』ちつのケアとココロのケアの深い関係

 

セラピーの中では、読んだ本を語り合うことで新しい考え方や感情の在り方を知ることも行います。

読書療法、と呼んでいます。

 

ではまた来週の火曜日に(いよいよ第1位の発表です)!

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サードプレイスピックアップ!複雑性PTSD感情調整

【2018年 最も読まれた記事】第2位【複雑性PTSD】アダルト・チルドレンとどう違うのか

こんにちは。

飯田橋のカウンセリングオフィス、サードプレイスのナカヤマです。

 

今年2番目によく読まれた記事は、【複雑性PTSD】アダルト・チルドレンとどう違うのか

でしたが、「アダルトチルドレン」ってタイトルにつけるだけで、バババーッてPVが伸びていったあたり、斎藤学先生の影響力の大きさに(文字通り)震えた次第です。

サイトウ学派のパワーみたいなものを肌で感じてびびったからでした。

 

アダルトチルドレンは嗜癖や依存、共依存、機能不全家族などといったワードと共に語られることが多く、そのあたりの用語は一部にはとても浸透していて、あまりにも練磨されているので、それらを使うことなく自分の状況を説明することが難しくなっている人もいるほどです。

こんなふうに

「私は機能不全家族で育ったアダルトチルドレンで、現在は夫との共依存と、自分自身の摂食障害、という問題を抱えています。」

みたいな、わかる人にはわかる、わからない人には全くわからないような表現になったりします。専門用語は元来、自分を理解し他者とコミュニケーションできるために作られているものなのに、それが難しくなりつつあるのが、実はアダルトチルドレンという用語をめぐる現在の状況ではないかと感じています。

機能不全家族、という問題では、機能充分家族(もしくは「機能万全家族」でしょうか、健康食品の会社名みたいに聞こえますが)っていうのがあるかっていうと(斎藤先生自らが認めているように)そんなことはなく、アルコールや虐待の問題がなくても、多くの子どもは家族内でのストレスフルな出来事(離別や家族のメンバーの事故や病気など)に対して「いい子」でいることで対応します。子どもは子どもなりに家族を助けたい、支えたいという気持ちがあって能動的に動いたり、働きかける存在でもあるのです。

「いい子」がしている最たるものが自分自身の感情を抑えることでしょう。子どもらしい(人間らしい)感情を自分から抑制したり、余裕のない家族のメンバーから「わがままだ」などといわれることで我慢したりします。

感情を抑えたり、麻痺させたりして成長して、大人になってからもその感情の表現する場や方法がわからないままだと、なんだか心に穴が開いたような感じを覚えることがあります。アルコールやむちゃ食い、自傷行為、不特定多数との性的な関係などの嗜癖や依存は、外側から自分の感情を刺激して動かすことで、「心に穴が開いた感じ」が一瞬埋まったような感覚が得られる一つの方法です。

でも、この心に穴が開いた感じが元々は感情麻痺からきていることから考えると、自分自身の感情をきちんと取り戻すことができれば、嗜癖的な行為にさほど頼らなくても、生きている実感や地に足が付いた感覚が得られるのです。

要は感情はとっても大事、ってことで、セラピーの多くは感情を取り戻すプロセスといってもいいのではないかと思っています。

 

 

ではまた今週の金曜日に!

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2018年 Pick Up!サードプレイス

【2018年ピックアップ 第2週】考えて行動してみるセラピー

こんにちは。

飯田橋のカウンセリング・オフィス、サードプレイスのナカヤマです。

 

心理療法には、お部屋で向かい合ってお話しているクライアントとセラピスト、というイメージがあって(実際そうしていることが圧倒的に多いのですが)、その中で取り交わされる思考というか、洞察というか、内省みたいなことが重要だと思われています。

考えることは非常に大切で、楽しいことでもあるので、その時間を共有できるのはセラピストにとっても嬉しいことです。

 

一方で見過ごされがちですが、セラピーの中でのもう一つの重要なファクターは「行動すること」でもあります。

セラピーは、電車に乗ったり、駅からてくてく歩いたりして、お部屋に到着することからはじまります。そこで、セラピストの声を聞いたり、顔を見ながら、自分の考えたり感じていることを言語化(発声)したりしますし、涙が出たり、息が浅くなったりすることも経験するでしょう。このようにセラピーをめぐって、身体が多くの体験をすることは、認知(考え)の変化を生む上で必要なことなのです。

また、セッションとセッションの間ではいわゆるホームワークが出ることも珍しくはありません。自分自身の従来の考えや行動パターンを検証するために、実際に行動してみることは手っ取り早く、大きな実感が得られる方法なのです。

その人の認知や行動パターンをより良く(つまりは本人の目的にかなうように)変化させるために、行動に意識的に働きかけるのは、心理療法、とくに認知行動療法、に特化したものといってよいと思います。

 

私も自分自身のためにいろいろと「行動」してみることがあり、その行動は当初思った通りの結果にならないことが多いのですが、でも行動してみることで自分では気が付かなかった意外な効果が得られることもあるのです。

そんなんで、金曜日第2週目のピックアップは、私の行動についての記事です☞【ひとりムーブメント】プチフェミ的な行動の効果

でも、この記事は私の行動の効果、というより、私の母の「軍曹」的なキャラに対するインパクトの方が強かったようですが・・・。

 

ではまた来週の火曜日に!

サードプレイス